『ハーメルンの笛吹き男』は魔法使いだった?物語の真相を徹底調査

『ハーメルンの笛吹き男』は魔法使いだった?物語の真相を徹底調査

子供向けの物語として有名な「ハーメルンの笛吹き男」。グリム兄弟が書いた「ドイツ伝説集」に収録されている伝承の一つなのですが、実はハーメルン市で実際にあった事件が元になったと考えられています。複数ある説の中には、笛吹き男が魔法使いだったという考察もあるそうです。そこで今回は、ハーメルンの笛吹き男の真相について調査してみました。

ハーメルンの笛吹き男のあらすじ

まずはハーメルンの笛吹き男の大まかなあらすじを紹介します。ネズミの大量発生に悩まされていたハーメルン市に、奇妙な服装の男が現れました。男が笛を吹き始めると、ネズミは川に入り始めて溺れてしまいます。

ネズミ退治の報酬を拒否された男は一度街を去ったものの、再度ハーメルン市に現れました。男がハーメルン市の通りを歩きながら笛を吹き始めると、130人もの子供達が男の周りに集まります。男は子供達を山の洞窟まで連れて行き、男も子供達も二度と戻ってきませんでした。

ハーメルンの笛吹き男の魔法使いだった?

実はハーメルンの笛吹き男は魔法使いだという噂があります。これは16世紀後半にハーメルン市に建てられた門に、「この門は魔法使いが130人の子供を連れ去ってから建てられた」といった内容が彫られているからです。

この市門が建設された時期は魔女狩りの最盛期だったこともあり、笛吹き男は魔女の仲間だと考えられています。

ハーメルンの笛吹き男は実話?

ハーメルンの笛吹き男という伝承が実話だと言われているのには、いくつか証拠が存在します。

教会のステンドクラス

ハーメルンにあるマルクト教会には、ハーメルンの笛吹き男の伝承をモチーフとしたステンドグラスが設置されています。またそのステンドグラスから模写した笛吹き男の水彩画も存在するようです。

東方への移住が多かった

当時のドイツでは、人口増加や土地不足が問題となっていました。東ドイツやポーランドなどには土地があり、東方への移住が促進されていたそうです。こうしたヨーロッパの社会情勢を踏まえて、笛吹き男は東方移住への宣伝活動を行っていたのではないかと考えられています。

昔は街の住民全員を「〜の子供達」と呼んでいたこともあり、ハーメルンの笛吹き男に出てくる子供達は東方への移住を決意した青年期の男女を指しているという説が有力となっているようです。

少年十字軍の存在

当時のヨーロッパでは、神の啓示を受けたとする少年を中心に結成された少年十字軍が存在していました。少年十字軍はエルサレムを目指して遠征し、最終的に故郷に帰れなかった

子供がたくさんいたそうです。ハーメルン市の子供達も少年十字軍に参加し、そのまま帰ってこなかったのではという説もあります。

ハーメルンの笛吹き男の謎は分かっていない

ハーメルンの笛吹き男に関しては有力とされている説がありますが、現在のところ決定的な説はなく、謎は解明されていません。ハーメルンの笛吹き男が本当に存在したかは定かではないものの、中世のハーメルン市では130人もの子供達が失踪したというのは事実のようです。実際に起こった事件が伝承として伝わっており、徐々に形を変えて童話となったのでしょう。

まとめ

ハーメルンの笛吹き男の真相について解説してきましたが、いかがでしたか?事件の真相は諸説ありますが、ハーメルンの笛吹き男が魔法使いであるという説は、ヨーロッパで起こった魔女狩りが関係しているようです。

昔から伝わる物語の中には、ハーメルンの笛吹き男のように実際に起こった出来事がちりばめられています。ハーメルンの笛吹き男の話が面白いと思った方は、ぜひ他の伝承や童話についても調べてみてください。