電撃「太鼓もオクトも20万未満。今夏は20万本超タイトルが1本もない非常に寂しい夏商戦だった」

次週から9月期がスタートする中、8月期（集計期間：7月30日～9月2日）の市場規模は、2017年に比べてハードが39.8％減の43万台、ソフトが31.2％減の209万本。金額ではハードが34.3％減の126億円、ソフトが36.4％減の120億円、全体では35.3％減の246億円と7月期に続いて大きく縮小した。

また、夏商戦（集計期間：7月2日～9月2日）の市場規模は、2017年の夏商戦に比べて、数量でハードが47.2％減の75万台、ソフトが51.5％減の350万本と両市場とも大きく縮小した。

要因は言うまでもなく、2017年におけるPS4/ニンテンドー3DS用ソフト『ドラゴンクエストXI』やNintendo Switch用ソフト『スプラトゥーン2』に匹敵する大型タイトルがなかったためである。その結果、金額ではハードが35.9％減の21.8億円、ソフトが53.5％減の201億円となり、全体では45.7％減の419億円と半分近くまで落ち込んだ。

なお、夏商戦のランキングは19.4万本を売り上げたNintendo Switch用ソフト『太鼓の達人 Nintendo Switchば～じょん！』が1位を獲得。以下、2位『オクトパストラベラー』（Switch/18.6万本）、3位『Minecraft』（Switch/17.8万本）とNintendo Switchタイトルが続いている。20万本超タイトルが1本もない非常に寂しい夏商戦となった。
http://dengekionline.com/elem/000/001/794/1794364/

週間ソフト販売ランキング TOP50（集計期間：2017年9月4日～10日）
http://dengekionline.com/elem/000/001/592/1592390/

　上半期も残すところあと1カ月。上半期の市場規模は2007年度の3,176億円をピークに9年連続で縮小中だが、今年度はPS4/3DS用ソフト『ドラゴンクエストXI』とNintendo Switch用ソフト『スプラトゥーン2』の活躍によって、8月末時点でハードが80.8％増の637億円、ソフトが13.8％増の688億円、全体では38.5％増の1,325億円と、すでに前年度を上回っており10年ぶりに拡大することは確実だ。

　しかし、その内訳を見ると『ドラゴンクエストXI』と『スプラトゥーン2』の2タイトルで市場全体の36％を占有。また、メーカーランキングを見ても、両タイトルを輩出したスクウェア・エニックスと任天堂のシェアは1位のスクウェア・エニックスが34.7％、2位の任天堂が32.0％と、2社で66.7％と7割近くを占め、残り3割の市場を他のメーカーで分け合っている状況だ。

　数字だけを見れば久々に大きな盛り上がりを見せているコンシューマー市場だが、ソフト間、メーカー間、ハード間の優勝劣敗構造がこれまで以上に広がっており、手放しで喜べない一面もある。9月以降、他メーカーからもヒット作が生まれ、業界全体が活性化することに期待したい。